商用車用アルミホイールは、ブレーキやタイヤの異常、過積載などにより高温になることがあります。ホイールのオーバーヒートは、安全性に影響を及ぼす可能性があるため、早期に異常を発見し、適切に点検することが重要です。Alcoa® Wheels(アルコア ホイール)のアルミホイールには、過熱状態を知らせるヒートインジケーターが採用されており、色の変化によってホイールの状態を確認できます。
定期的なホイールメンテナンスでは、タイヤやホイールの外観だけでなく、ヒートインジケーターの状態も確認することが重要です。
ヒートインジケーターについてこのようなお問合せをよくいただきます。
- Alcoa® Wheelsのホイールに付いている2つの透明なシールは何ですか?
- ヒートインジケーターはどこにありますか?
- ヒートインジケーターの表示が黒くなったホイールを確認するにはどうすればよいですか?
- ホイールのオーバーヒートを防ぐにはどうすればいいのでしょうか?
本記事では、ヒートインジケーターの役割や確認方法、ホイール過熱を防ぐためのポイントについて解説します。
タイヤのオーバーヒートがホイールに与える影響
Alcoa Wheelsの製造、販売を行っているHowmet wheel systemsのグローバル・テクニカル・マネージャー:ダグ・メイソンはこの影響について次のように説明しています。「アルミホイールは熱処理によって必要な強度を得ているということが最も重要なポイントです。製造工程では、ホイールに特殊な熱処理を施すことで、高い強度を実現しています。
しかし、走行中にホイールが過度な高温にさらされると、この熱処理によって得られた強度が失われる可能性があります。その結果、ホイールのオープンエンド(タイヤが装着される開口部)の寸法が縮小することがあります。」オープンエンドの寸法が縮小すると、タイヤのビード(ホイールと密着する部分)がホイールに正しく密着できなくなるおそれがあります。最悪の場合、タイヤがホイールから外れてしまい、重大な事故につながる危険性があります。
タイヤのビードの焼損は、ホイールの過熱を示すサインの可能性

Alcoa Wheelsのフィールド・サービス・マネージャーであるデイブ・ウォルターズはタイヤとホイールの耐熱性について次のように説明しています。「タイヤ温度が146℃(295°F)に達すると、タイヤのビードに影響が出始めます。
一方、スチールホイールやアルミホイールは、それ以上の温度に耐えることができます。しかし、204℃(400°F)の状態が5分間続くと、ホイール自体に問題が発生する可能性があります。」
デイブは、タイヤのビードが焼損している場合、ホイールにも多くの熱が加わっている可能性があるため、ホイールの状態も確認する必要があると説明しています。「通常、最初に熱の影響を受けるのはタイヤです。しかし、タイヤのビードに異常が見られる場合は、ホイールにもどの程度の熱が加わっているのかを確認する必要があります。」
ヒートインジケーターが示すアルミホイール過熱のサイン
Alcoa Wheelsのヒートインジケーターは、オープンサイドのロールスタンプ付近とリムドロップ中心に配置されており、ホイールが過熱状態になった場合に黒く変色します。
ヒートインジケーターが黒くなった場合のホイール点検
Alcoa Wheelsのホイールには、過熱状態をドライバーが確認できるよう、製造時にヒートインジケーターが2カ所に取り付けられています。ヒートインジケーターは、通常透明な状態で取り付けられていますが、ホイールが204℃(400°F)の温度に5分間さらされると、最初に茶色へ変色してきます。 その後、ヒートインジケーターが黒く変色した場合は、ホイールを直ちに使用停止し、車両運行から取り外す必要があります。「茶色への変化は過熱が発生したことを示すサインであり、点検を推奨します」

Alcoa wheelsのヒートインジケーターの位置
ヒートインジケーターは、ホイールが過熱した場合に黒く変色し、異常な熱にさらされた可能性を示します。2009年1月以降に製造されたAlcoa Wheelsのアルミホイールには、以下の2か所に直径25mmの透明な円形ヒートインジケーターが配置されています。
- ホイールオープン側のロールスタンプ付近
- タイヤ側のドロップウェル(Drop well)部分
これらの円形ラベルに、膨れ、焦げ、黒色化、ひび割れなどの兆候が見られる場合、ホイールが過度な熱にさらされた可能性があります。
上記のような変化が確認された場合は、直ちにホイールを車両から外し、点検を実施してください。
ヒートインジケーターが黒く変色した場合のホイール点検方法
ヒートインジケーターが黒く変色した場合、ホイールを再び使用できる状態か判断するために、以下の3つの確認方法があります。
方法1:平坦な場所でホイールを転がして確認する
平らな場所でホイールを転がします。
ホイールが真っ直ぐ転がらず、片側へ曲がる場合(特にオープンエンド側へ向かって曲がる場合)は、ホイールに問題がある可能性があります。
Daveは、平坦な場所で約2.4mホイールを転がして確認することを推奨しています。
「平らな場所を確保できない場合は、次善の方法として下記方法2のように直角定規を使用することもできます」とDaveは説明しています。
方法2:直角定規を使用してホイールを確認する
直角定規をホイール表面に当て、オープンエンド部分との隙間を測定します。
オープンエンドと直角定規の間に、0.76mm以上の隙間がないことを確認してください。0.76mmは、クレジットカードや運転免許証程度の厚さです。この確認は、少なくとも4か所以上で実施してください。
Alcoaのサービスマニュアル(海外Web マニュアル)では、これらの確認方法について、写真付きで詳しく説明しています。


安全を最優先にしたホイール点検
「ホイールの点検で最も大切なのことは、安全に使用できる状態かを確認することです。ヒートインジケーターが茶色に変化している場合は、ホイールが高温にさらされたことを示しています。念のためホイールの状態を測定・確認してください。
また、タイヤのビードに焼損や異常が見られる場合も、ホイールが高い熱を受けている可能性があります。そのため、タイヤだけでなくホイールの状態も確認することが重要です。
その後も加熱が続くと、ヒートインジケーターは濃い茶色から黒色へ変化します。黒く変色している場合は、ホイールの使用を停止し、必ず点検を実施してください。」とデイブは説明しています。
「実際の作業現場では、安全基準に沿わない状態で、損傷したホイールにタイヤを装着してしまうケースもあります。しかし、そのような状態で使用すると、タイヤが外れるなど重大な事故につながる可能性があり、作業者やドライバーの安全を脅かすことになります。」
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